ブエナ死角なし!裏の顔持つ凄腕/桜花賞

とら

2009年04月07日 11:02

桜花賞Vの最有力候補ブエナビスタ

 桜花賞ウイークのスタート。女王の座に最も近い位置にいるのがブエナビスタだ。いつもより早めに動いた前走・チューリップ賞も、メンバー最速の上がりタイムで快勝。課題のスタートも上手になっており、2歳時より確実に成長。いよいよ死角がなくなってきた。

 栗東トレセン北側の桜並木は競うように咲き誇っており、自然に気分が高揚してくる。心地よい風を感じながら目指すは、もちろん松田博厩舎。今年の桜花賞は2歳女王ブエナビスタを抜きには語れない。

 担当の山口厩務員は「何も話すことはないよ」と淡々としたもの。クラシック戦線で奮闘した兄アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラと比べ「度胸が座っている」という優等生。手が掛からないようで、厩舎全休日の馬房でも非常に落ち着いている。その姿からは、レースで見せるド迫力の末脚は想像できない。3歳のこの時季にして力の入れどころ、抜きどころが分かっているのだろう。

 その“力の入れどころ”、レースでの凄みはご存じの通り。今回と同じ阪神芝マイルの舞台で阪神JF、チューリップ賞を完勝。

 「前走はゲートも普通に出ていたからね。長く脚を使えるし、勝負どころで前に取り付くまでが本当に速い。兄と一緒で早めに抜け出すとフワフワするけど、前に目標がいれば抜こうとするんだ」

 ここ2戦とも後方の位置取りから、安藤勝が手綱を緩めると一気に先行集団を射程圏にとらえ、もたつくシーンがなかった。2年前のコース改修で、スピード勝負から長い直線での力と力のぶつかり合いへと変わった。真の地力がなければ勝てないレース。そのタイトルに最もふさわしいのはこの馬に違いない。